HDR(ハイダイナミックレンジ)という画像表現手法を耳にすることも多くなりましたが、さてどんなものなのか?
今日は実際に画像を作ってみたいと思います。
通常は三脚などを使い、明暗を変えた同じ構図の写真を3枚程度撮影するのですが、今回は1枚の画像から明暗を変えた画像を3枚用意し、HDR画像を作成してみたいと思います。
目次
HDR(ハイダイナミックレンジ)とは?
カメラなど一般的な記録手段の「最も明るい部分」と「最も暗い部分」の明暗の比は狭く、現実の世界が持つ幅広い明暗比を表現することができない場合があります。
そこで、その幅広い明暗比を表現するために開発された画像手法がHDR(ハイダイナミックレンジ)となります。
具体的な手法としては、露出を変えて複数枚の写真を撮影(用意)し、それらを合成することで白飛びや黒つぶれの少ない幅広いダイナミックレンジを持つ画像を生成していきます。
HDR画像を作る際に必要な機材&ソフト
カメラ
デジタル一眼カメラ、ミラーレス一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラ、スマートフォンのカメラなど、写真が撮れるものであれば何でも構いません。
※HDR加工する際のトーンマッピングにてノイズが強調されやすいので、諧調性の優れたカメラをご使用をお勧めします。またISO設定にご注意ください。
今回例として挙げさせていただく写真は、以下のカメラとレンズにて撮影を行っています。
Amazon「Nikon デジタル一眼レフカメラ D5000」
Amazon「Nikon 標準ズームレンズ AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G ED VR」
画像加工ソフト
画像の明るさ調整(レベル補正)が可能なソフト/サービスであれば何でも構いません。
※Photoshop(有料)、GIMP(無料)、Webサービス等
HDR加工ソフト
■無料版ソフトの一例
Luminance HDR
※対応OS: Windows 32bit版/64Bit版、Mac 64Bit版
・レベル補正
・ホワイトバランス
・LDR最適化マッピング
・ローカルトーンマッピング
■有料版ソフトの一例
Photomatix Pro
※対応OS: Windows 32bit版/64Bit版、Mac 64Bit版
・トーンマッピング機能
・フレーム間の「ずれ」を補正するマッチング機能
・エリア選択可能なゴースト除去機能
・ノイズ除去
・色収差補正
・強力なバッチ処理
HDRに必要な画像を用意する
それではHDR画像を作成するための画像を用意していきましょう。
今回は1枚の「普通」の明るさの画像を元に、レベル補正などを行い「暗い」「明るい」と2枚の画像を新たに作成し、計3種類の画像を用意します。
↓元となる明るさが「普通」の画像
↓「暗い」画像
↓「明るい」画像
これで素材の準備ができました。
HDR加工ソフトにて合成してみる
続いて加工ソフトを用いて合成してみましょう。
今回は無料ソフトのLuminance HDRを用いて合成したいと思います。
ソフトをダウンロードし、立ち上げます。
ソフトを立ち上げたら、【New HDR image】で3種類のファイルを読み込みます。
読み込み(合成)が完了したら、次はお好みのHDRに調整していきます。
お好みのHDR画像ができたら「保存」して終了です。
そしてこちらが完成したHDR画像です。
さいごに
いかがでしょうか?
通常にはない独特な世界観が生まれたのではないでしょうか。
HDR画像作成の工程も覚えてしまえば、さほど面倒なこともありません。
少しでもHDRに興味をお持ちでしたら、ぜひ試してみてください。
表現の幅がさらに広がり、より楽しいカメラライフを送ることができるかと思います。
ちなみにHDR加工は「Adobe Photoshop」の【自動処理 ⇒ HDR Proに統合】を使っても作成が可能です。
そちらに関しては以下記事にて紹介していますので、ぜひご覧になってください。
<PhotoshopのHDR機能とは?>
■PhotoshopのHDR機能とは?
それでは良きカメラライフを◎