前回はカスタムレポートの設定を解説しましたが、今回は使用方法と設定した指標の役割について解説をしたいと思います。
前回の「Google Analytics カスタムレポートでアクセスの深さを計測」 設定編はこちら
では早速、カスタム レポートの「深度分析」を使ってみましょう。
目次
カスタム レポートの「深度分析」
このレポートでは階層別にアクセス数値を計測していますが、階層がタブとして表示されます。
このタブ機能ですが、今回は階層のディメンションのみ変えたレポートとなっています。
タブ毎に設定も変えられますので、階層別に計測の指標を変えることや、もしくは全く違うディメンションと指標を設定することも可能です。
では第1階層のレポートを見ながら、設定した指標を順に解説したいと思います。
第1階層
左端の項目には、第1階層であるURLが表示されています。
デフォルトでは階層ごとにアクセス上位10位までのページが表示されます。
なおこれから説明する②以降の指標の数値は、対象のURLとその下につながっているページのアクセス数値となります。
遷移して下に続く階層全てのアクセス数値を見ることになるので、アクセスの深さを測ることができると言う訳です。
なおGoogle Analytics には左カラムの「行動」メニュー内に、「ディレクトリ」という階層別にアクセス数値を確認できるメニューもあります。
そこでも階層別にアクセス数値を確認できますが、そのメニューではディレクトリごとにしか下層を確認できません。
このカスタムレポートではディレクトリをまたいで同じ階層を確認できるので、抽出後エクセルなどで加工することで、異なるディレクトリの合算値も簡単に計測できます。
ページ別訪問数
1回のセッションで、訪れたページ全てにカウントされるセッション数です。
ページビューと違い、同一のセッションであれば繰り返し同じページを閲覧してもカウントはされません。
このカスタムレポートでは、同一のセッションでどれだけ下層にアクセスしているか推察できる数値となります。
ページビュー数
ページを閲覧するごとにカウントされる値です。
閲覧するごとに繰り返しカウントされるので、上記でカウントした「ページ別訪問数」と比較することで、セッション1回あたりの行き来が推察できます。
例えば下記の計算式ではセッション1回あたりのページビューと、繰り返し見たページ数の平均値が分かります。
階層ごとにURLをセグメントして、この計算式の答えを比較することで、繰り返し見ている階層が分かってくると思います。
(ピラミッド式に下層に広がっている構造であれば比較は簡単ですが、ある階層のみURLが一部だけ多いと計算自体が難しい場合があります。
その場合はアドバンスフィルタを利用して、対象のURLを抜き出したり、除外して数値をまとめると便利です。)
閲覧開始数/ページビュー数
これは最初に閲覧したページが、全体に対してどのくらいの割合かを表しています。
第1階層では特にこの数値が重要になってくると思います。
「セカンダリディメンション」に「2ページ目」や「次のページ遷移」を設定することで、ユーザーの導線が見えてきます。
なお「2ページ目」は、対象のURLがランディングページとした場合の2ページ目となるので、検索からのリファラーユーザーの導線が見えてきます。
「次のページ遷移」は対象のURLから、遷移したページがアクセス値別に確認できるので、サイトの導線が想定通りか確認することができます。
セッション
訪問数となります。
新規セッション率
セッションのうち、新規ユーザーの割合となります。
ユーザー
ユーザー数となります。
新規ユーザー
上記のユーザーの内、新規のユーザー数となります。
なお「新規ユーザー」や「リピーター」はセグメント機能からも設定可能です。
サイトの構造にフォーカスして、ユーザー別の行動を見たい場合などに便利です。
その場合は「新規セッション率」や「新規ユーザー」の指標は外してしまってよいでしょう。
平均ページ滞在時間
ユーザー毎のページの滞在時間の平均値です。
離脱率
対象のページの閲覧後、サイトを離れた数の割合です。
全てのページに離脱数はカウントされるので、全体の平均値と比べることで、ユーザーの動向を確認することができます。
コンバージョンの設定がある場合は、想定経路の各ページを注視してください。。
直帰率
他のページに遷移せず、対象のページの閲覧後、離脱した数の割合です。
ランディングページで高い場合、SEOのミスマッチがあると思われるので注意が必要です。
使い方
「深度分析」で設定した指標はユーザーの行動によって大きく3つに分けられます。
ユーザーのサイト内の行動に関わる指標
- 「ページ別訪問数」
- 「ページビュー数」
- 「閲覧開始数/ページビュー数」
サイトへのアクセスに関わる指標
- 「セッション」
- 「新規セッション率」
- 「ユーザー」
- 「新規ユーザー」
ユーザーのモチベーションに関わる指標
- 「平均ページ滞在時間」
- 「離脱率」
- 「直帰率」
主な使い方としては、この3つのグループを基準に指標を比較していきます。
例えば「ページ別訪問数」を「ユーザー」と「新規ユーザー」とで比較することで、新規ユーザー独自の行動が見えてくると思います。
また検索によるリファラーアクセスを見るには、「新規セッション率」が高く「直帰率」が高いページを「閲覧開始数/ページビュー数」順に並び替えることで、問題のあるページが見えてきます。
このように「行動」や「アクセス」、また「モチベーション」に関わる指標を比較することで、データが明確になっていきます。
なおGoogle Anakytics ではデータの並べ替えに「加重」という機能を使い、2つの指標を基準に並べ替えることもできます。
しかしながら上記のように3つの指標を比べるのは、データをエクセルで加工する必要がでてきます。
特に今回は設定しませんでしたが、コンバージョンの指標も加味すると比べたい指標はおのずと3つ以上になってくると思います。
まとめ
カスタム レポートは指標を入れ替えることで、見たいポイントにフォーカスしてデータを抽出できる、Google Analytics の大きな機能です。
使いこなせるまでには時間がかかるかも知れませんが、カスタム レポートのデータをエクセルなどで加工することで、より深いアクセス解析ができるようになります。
みなさんも、ぜひ活用してみて下さい。